2018年11月5日月曜日

【新刊のお知らせ】台湾と山口をつなぐ旅

◆著・絵/栖来ひかり
◆西日本出版社刊
◆11月27日発売予定
◆1500円(税抜き)

わたしにとって、日本で一冊目の著書が出版されます!
内容は、今年の1月に台湾で出版された山口本との同テーマを日本の読者向けに全面的に書き改めたもので、全編にわたるイラストも描きおろしの旅エッセイ本です。
台湾と山口県/日本との知られざる繋がりを追いながら山口県各地の風土をめぐり、「まだ知らぬ故郷」そして「アジアのなかの山口」の元始的なすがたを浮かび上がらせたい――そんな「ヤポネシア」的試みや思索もうめ込んでみました。
山口県にゆかりのある方はもちろん、台湾、そして民俗学的な事柄に興味がある方にも、是非お手にとって頂ければと思います。
なお、山口県下のほとんどの本屋さんには入荷されるとのことです。この夏の豪雨で物流が止まり入荷がストップしたため、多くの本屋さんが影響を受けたと聞いています。山口県地元の皆さまには、ぜひとも地域の本屋さんでご予約・ご購入していただくことで、地域の書店さんの応援につながれば大変うれしく思います。
どうぞ宜しくお願いします!

西日本出版社
http://www.jimotonohon.com/annai/a1398_taiwan.html?fbclid=IwAR3w3urcEdf74yj5pSY2IDzrnrsoe5Gp1v2L3uZejERwA4jDbKcwvEYI4QU

2018年10月12日金曜日

洗骨——日本と台湾と沖縄にある生と死の間の世界


近ごろ想像していて一番楽しいのが、黒潮や対馬海流に乗って大昔から台湾や日本の間で人々が行き来し、民族や文化が緩やかに交じり合っていった、そんなストーリーです。
台湾や中国南方でみられる「洗骨」という文化も、或いはそういったものの一つだったかもしれないーーそんなことを、多言語サイトNippon.comにて論じています。ご一読頂けると嬉しく思います。

日本語版☞
洗骨——日本と台湾と沖縄にある生と死の間の世界

繁体字版☞
撿骨——日本、臺灣、沖繩共有的另一種生死觀

2018年9月29日土曜日

台湾LGBTQ映画から見る多様性という未来


多言語サイトNippon.comにて、台湾映画を考えるうえで重要な「個人的なことは政治的なこと」という概念について、そして「どうして台湾社会は多様性を持ちえるのか」ということについて書いています。ご一読いただけると嬉しく思います。

👇日本語
台湾LGBTQ映画から見る多様性という未来

👇繁体字
從臺灣LGBTQ電影看見未來臺灣認同的「多元性」




2018年9月12日水曜日

【我為何以「台灣」做為書寫思考對象~どうして私は”台湾”について考えるのか】

9/8・9台湾教授協会主催・台日韓論壇で発表した内容の大綱【我為何以「台灣」做為書寫思考對象(どうして私は『台湾』について考えるのか)】をアップします。ご興味のある方はご一読頂けると嬉しく思います。※中文のあとに日本語あり〼

【我為何以「台灣」做為書寫思考對象】

據說「日本」這個名字,意味著「旭日之本」=「朝陽升起的地方」。

這個說法出自西元607年聖德太子致函隋煬帝的國書,當時他負責推古天皇的攝政。根據《隋書》的記載,該國書上記載著「日出處天子致書日沒處天子無恙云云」。

這段文句中的「日出」、「日沒」具有什麼樣的意涵呢?長期以來已有許多議論,在此我特別想針對「日出之處」,也就是「太陽升起的方位」這點來進行討論。所謂旭日東升,正是因為觀看太陽的人所處位置是在西方。觀察者如果是從日出的東方看過去,是無法從自己所處的角度確定太陽升起的。換句話說,「日本」這個國名的由來,是透過位於日本西方的「他者」角度才成立的。這也意味著,日本從一開始就毫無疑問是屬於亞洲的成員,東亞的鄰人正是讓日本之所以能成為日本的「鏡子」。

近年隨著DNA研究的進步,日本人起源的分析也不斷地進展。目前的主流見解「出自南島的“繩文人”與出自大陸的“彌生人”,兩者的混血成為日本民族的起源」,這個最早的假說其實與台灣有很深的關聯,但鮮為人知。

人類學者、醫學者的金關丈夫(かなせきたけお,1897-1983),戰前為台北帝國大學醫學部教授,對於台灣原住民等南島民族的骨架體型非常有研究。後來,山口縣「土井之濱遺跡」出土,同時出現了大量的彌生人和繩文人的骨頭,金關教授的這些知識發揮作用,發現彌生人其實是與大陸系統起源有別的人種,顛覆了既存的主流見解「繩文人→彌生人→現在的日本人」進化論。這個例子正說明了,透過台灣可以重新去理解「何謂日本人」。
 
 除了追溯考證,透過與台灣的比較,日本現代社會所面臨的許多問題也可以看得更清楚。例如性別問題,從女性的就業方式到大相撲比賽的女性忌諱、東京醫科大學的入學考試男性一律加分等弊端,浮上檯面的問題儘管非常多樣,但大多是基於「女性就是應該如何」的刻板印象。日本性別研究者即指出,這些性別觀念並非固有,而是明治維新後「被發明的傳統」,用以做為國民統合的意識形態裝置。台灣雖然也因日本統治而經歷了「近代」,但今日台灣女性無論在社會發展或是性的看法,都具有更豐富的多樣性。我們可以從「性別落差指數(Gender Gap Index, GGI)」清楚看出台日的差距。根據2017年的性別落差報告,全球144個國家當中,台灣指數約為40名前後,日本則位居114名,大幅落後。

今後的日本,將面臨人口的減少、超高齡化以及國際社會的複雜化,如果不能將「日本就是應該如何」的刻板印象去除,恐怕也很難解決問題吧。擺脫刻板印象,就是讓自己有能力自在地變焦,去直視各種不同層次的異質性。

「我栖來光,是個日本人。在那之前更是一個女性、東亞人,還有最基本的是生而為人」。如果思考能如同聽廣播那樣,隨時都能調轉頻道,自然就能聽到各式各樣的音樂或故事。逐一用心傾聽,我們或許能從中體會嶄新的思考方式,去面對慰安婦問題等國際紛爭,抗衡那些因國家認同的素樸情感而變質的暴力性權力。

嬰兒會透過與周遭世界的互動,慢慢明確區分自我與他人的不同。與此成長過程相同,「國家」的存在也是透過與他國的交往當中,逐漸形塑國家的輪廓。「台灣」這個日本近鄰,具有歷史的複雜性與豐富的多樣性,從不同的角度與複眼性去凝視,「我」方的陰影也會被映照出來,指引我們未來應走的方向。這是我為何會持續書寫思考「台灣」的重要理由。

どうして私は「台湾」について考えるのか

「日本」という名前は、「日のもと」つまり「日出づる處」という意味を持つといわれる。
この話の元は、西暦607年に推古天皇の摂政を務めていた聖徳太子が、当時中国を治めていた隋の皇帝・煬帝に宛てた記述のなかに出てくる。そこには「日出處天子致書日沒處天子無恙云云」とあった、と『隋書』のなかに記録されている。
この「日出」「日没」がどのような意味をもつかは、これまでも様々な議論のあるところだが、筆者として着目したいのは「日いづる處」=「太陽の昇る方角」であることだ。東から太陽が昇るのは、それを観ている人が西側にいるからである。太陽の昇る場所に居る人が、自分の場所から太陽が昇るのを確認することは出来ない。つまり「日本」という国の名前そのものが、日本の西側にある「他者」の視点を持って初めて成立する。このことは、日本は生まれたときから紛れもなくアジアの輪の一部であり、東アジアの隣人たちは日本が日本たり得るための「鏡」であることを教えてくれる。

近年のDNA研究の発達と共に日本人のルーツ解析が進んでいるが、いま主流となっている「南島にルーツをもつ“縄文人”と大陸にルーツをもつ“弥生人”の混血が日本民族の起源である」という最初の仮説が、台湾と深い関わりを持っている事は余り知られていない。
金関丈夫(1897-1983)は戦前に台北帝国大学医学部の教授を務めた医学者・人類学者で、台湾原住民族はじめ南島に暮らす人々の骨格について深い知識を備えていた。それが後に、山口県「土井ヶ浜遺跡」において大量の弥生人と縄文人の骨とが一緒に見つかった際に、弥生人が大陸系統の別ルーツを持つ人種であることを発見し、それまで主流であった縄文弥生進化説(縄文人が弥生人へと進化して現在の日本人となった)を覆した。台湾を通して“日本人とはなにか”の一端が示された一例である。
 
 日本の現代社会が抱えている問題も、台湾に照らせばより明瞭にみえてくる事は多い。
例えばジェンダー問題がある。女性の働き方から始まり大相撲の女性禁制、東京医科大学の男性受験者一律加点など表面化した問題は多岐にわたるが、その多くが「女性はこうあるべき」といった固定観念にもとづき、日本国民を統合するイデオロギー的な装置として明治維新以降に生まれた「日本古来の伝統」という意味づけに支えられていることが、ジェンダー研究者から指摘されている。一方の台湾は、日本の統治下で近代を通過したにも関わらず、現代では女性の社会進出や性の在り方において、より豊かな多様性を獲得している。このことは「ジェンダーギャップ指数(GGGI)」(2017年)において世界144ヵ国中、台湾が指数的に40位前後に位置するのに対し、日本は114位と大きく後れを取っていることに著しい。

これからの日本が、人口の減少や超高齢化、国際社会の複雑化に対応していくためには、「日本はこうあるべき」という固定観念を取り外していくことなしに問題解決にあたるのは難しいだろう。固定観念から逃れること、それは自分のなかにある様々なレベルの他者的な「視点」に、ピントを自在にずらせる能力を備えることにある。
「私“栖来ひかり”はひとりの日本人であり、その前にひとりの女性であり、その前にひとりの東アジア人であり、その前にひとりの人間である」
ラジオのチューナーを調節するかの如く、瞬時に思考をそれぞれのチャンネルに合わせれば、多様な音楽や物語が聞こえてくる。それら一つ一つに耳を傾けることで、国家への帰属意識から生まれる素朴な愛情が暴力的な権力へと姿を変える事に抗い、慰安婦問題はじめ膠着化した国際問題について新たな思考を巡らせることができるだろう。
嬰児が周囲との関わりの間でみずからと他者との境界を明確にしていくのと同じく、「国家」という存在もまた、「他」との関わりのなかで国の輪郭を形づくる。そうした意味で、最も近しく歴史的な複雑性と豊かさを備えた「台湾」という隣人を、様々な角度や複眼性をもって見つめていくことは、「わたし」の陰影を照らし出し、進むべき未来へとみちびいてくれる。これが、わたしが台湾について書いたり考えたりする重要な理由である。

非常感謝 
中文翻訳:劉夏如 Hsia-Ju Liu
下面照片: Atsushi Tanabe

2018年8月1日水曜日

第11代台湾総督・上山滿之進80回忌

【熱愛臺灣的日本人~第11代臺灣総督・上山滿之進80回忌掃墓於山口縣防府市江泊】
※中文の後に日本語記事あり〼。

昨天7/30在上山的故郷・防府市江泊地區「向上山満之進學習會」主辨了「上山満之進没後80年記念法要」。大約100個人的出席,上山的後代從東京・美國都回來的,也有防府市長・毛利家當主的参加,算是大成功了。上山満之進1938年在東京過世的時候,同時在台北的西本願寺別院也辨了「遥弔式」,這時候一位臺灣台北的魏新德先生把一首漢詩寫送給上山先生(照片),裡有幾句話「不愛黄金只愛民」「訃到臺灣其愴神」。
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上山滿之進擔任台灣總督一職是在1926到1928年的短短兩年之間。在短短的任期裡,他重建了瀕臨破產危機的台灣銀行,也推動了台北帝國大學(台灣大學前身)的成立。
不過我特別想提到的是,上山對台灣原住民非常關心。在離開總督一職時,他投入大筆慰勞金,委託台北帝大進行台灣原住民研究,後來結集出了《台灣高砂族系統所屬之研究》與《原住民語高砂族傳說集》兩部學術著作。這些研究資料紀錄了日本時代到戰後許多失落的台灣原住民文化,現在已是非常貴重的史料。而且,上山滿之進用編纂上著作的部分資金,委託陳澄波創作「一幅畫」作為他台灣生活的紀念,那就是那幅在防
府發現的〈東台灣臨海道路〉。面海的斷崖絕壁長長地往前延伸,山的中間是1932年開通,位於台灣東海岸的蘇花公路、台灣原住民的親子手牽著手走著,海上還浮著一艘原住民的小船。木製的畫框也很有特色,用了台灣蘭嶼達悟族的船上的木材,表面還雕著達悟族特殊的紋路。
上山年輕時的同事,民俗學家柳田國男,曾經這樣評價上山:「擁有驚人的求知欲與鄉土愛」,兩人的友誼也持續終生。灣生的山口縣前知事小澤太郎在研究所時期曾在上山滿之進面前演講「台灣泰雅族社會的高度民主秩序」,上山對此很有興趣,也因為這樣的機緣,小澤確定了台灣總督府的工作,這件事也記載在小澤的自傳《風雪 : 記憶的回想(風雪:記憶による回想)裡。
「家並非是單獨存在成立的,是因為和祖靈神所棲止的森林與山所存在的神聖空間發生有機連結才得以存續的」(兒玉識《上山滿之進的思想與行動》)這是之後奠定柳田民俗學基礎的重要思考,上山應該對此也抱著強烈的同感。在他的眼裡,因為現代化的發展,日本人的共同體漸趨失落,台灣原住民維持著祖靈信仰的生活文化,更是值得尊重且懷念的文化吧。現在附府圖書館的上山滿之進資料室裡,展示了很多上山就任台灣總督府時,外出視察原住民部落時的報紙新聞,解說提及上山的行政長官視察並非如一般長官的高壓態度,而是非常體貼親和的訪問行程。


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昨日は、第11代台湾総督を務め、台湾を熱愛した山口県防府市出身の政治家・上山満之進没後80年の「報恩墓参」が、上山満之進の故郷・防府市江泊の上山家墓地にて行われました。主催は地元の有志団体「上山満之進に学ぶ会」の皆様。列席者およそ100人、東京やアメリカにお住まいの上山の子孫の方々や防府市長、毛利本家当主の毛利元敦さんもご出席され、読経のあとに上山満之進の詠んだ詩吟の吟詠奉納もあり、とても盛大なものでした。
地元でも長く忘れられていた上山満之進について、注目が集まる発端となったのが、2015年に防府市で突如見つかった、台湾を代表する画家・陳澄波による幻の作品『東台湾臨海道路』でした。
この絵の行方を取材するうちに、防府の地元のみなさまとも親しく関わるようになり、絵の発見を機に上山満之進についての理解を深め、上山の愛した台湾との友好を深めていきたいという皆さんの熱意を感じてきました。昨日の法要に出席して、それがまた一つ形となった事を本当に嬉しく思います。
数日前からニュースで台風の進路を見ながらどうなる事かと心配していましたが、当日朝はからりと晴れ、心配されていた暑さも台風のおかげか和らいで優しい風が吹く中での法要となり、上山滿之進の大きな人徳に改めて触れた思いがしました。
墓所からは、大平山など防府出身の作家・高樹のぶこ原作で、『この世界の片隅に』片渕須直監督の名作『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台となった防府の印象深い形をした山々が見渡せました。
印象的だったのは、草や樹を刈ることから始まった会場整備に大変な労力を払われた地元・江泊の方々のお子さんたち。子供にとっては随分退屈な内容だろうに、2歳や3歳ぐらいのお子さんたちも含めて騒ぐこともなく、10人以上の子供たちが参加していました。
今回が80回忌で、次に何かあるとすれば恐らく100回忌。その頃には子供たちも20~30代になっているわけで、その時世の中がどうなっているのか想像もつきませんが、上山満之進という地元の偉人を通して、台湾について興味をもって日台の懸け橋となってくれる子も、その中から出てくるかもしれません。
一時間ほどの式のあいだ、大きなクロアゲハが一匹、ゆったりと出席者の頭のうえを行ったりきたりしていて、あれは、上山滿之進さんだったんじゃないかな。
高く舞い上がっては降りてきて、墓上を旋回したり、とても嬉しそうに飛びまわりながら、みんなを見守っているように見えました。

2018年7月25日水曜日

『書店本事 個性的な台湾書店主43のストーリー』の翻訳出版をめざすクラウドファンディング


唐山書店然り。
世界で最もながい戒厳令下で言葉を奪われてきた台湾だからこそ、いま知性と言葉は大事にされる。「あたりまえじゃない」書店の在り方が、生まれた源はそこにある。台湾の独立書店が魅力的なのは、一軒一軒の書店主・書店員の、自由な言葉と知性へのいとおしさがあるから。
台湾各地にあり「独立書店」とよばれる、活力あふれる町の書店を紹介した1冊『書店本事 個性的な台湾書店主43のストーリー』の翻訳出版をめざすクラウドファンディングを応援します。2018年9月18日(火)まで!
詳細はこちら
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■ 書籍『書店本事 個性的な台湾書店主43のストーリー』について 『 書店本事 - 在地圖上閃耀閲讀星空 』 著:郭怡青(クオ・イーチン) 発行:台湾 言語:中国語(繁体字) 発行年:2014年 INBN:978-95-732744-0-7 「独立書店」とよばれる台湾各地にある町の書店。 どれひとつとして同じものはなく、店主のこだわりが反映されていてひたすらオモシロイ!