2015年1月19日月曜日

なんでも無い日の最高の昼食



絶品でゴージャスな美食もありがたい。でも、

かまえない
つかれない
ほっとする
かならずおいしい

素性のわかるお料理。
そういう外食に出会うのは案外むつかしい。
しかも育ってきた食環境ではないアウェイで探すとなると、いっそうハードルは高い。

「北平」って「北京」のこと。華北庶民料理の店「北平半畝園」は、そんな何てことないのだけれど間違いのない一食を約束してくれる貴重な店。開店してから40年ちかく、いまや上海やアメリカにも支店を出している。

いつも頼むのは以下の二品
「特製酢麺」
(コシのある麺を胡瓜・もやし・酢・調味料で和えたもの。気分で細い麺にしたり刀削麺にしたり)
「木須湯」
(山東料理を代表する木須肉=塩漬けした豚肉+キクラゲ+卵+シイタケの炒め物をスープにしたもの)

ひとりの場合、これ以上食べるのは量的にむつかしい。だから2~3人で行ったときには「牛肉餡餅」と「緑豆粥」もさらに注文できる楽しみがある。
「牛肉餡餅」は牛肉入りの「おやき」。箸で切りわけたときに溢れだす肉汁をみたときは時を選ばず体温がすこしあがる。
「緑豆粥」は名のとおり緑豆のお粥。ざらめをサラサラ入れて食すのが本場流。
ここの緑豆粥は「台湾B級グルメの父」と呼ばれる舒國治氏(通称:スーさん)の著書「台北小吃札記」のなかでも「台北一」と讃えられている。

        台北小吃札記



水で練った小麦粉を、延ばしたり包んだり焼いたり蒸したり。
山東・山西地方の小麦粉文化をこころゆくまで味わえるこの店には、長い白ヒゲをたくわえた「台北最後の文人」みたいな鉄斎的風貌の老人が故郷の味を懐かしむのか今日もやってくる。

メソポタミア地方で紀元前八千年ほどまえから栽培されるようになった小麦が、シルクロードを渡ってウイグル・モンゴルを経て唐の都までつたわった。
当時「饂飩」とは小麦粉を利用した食べ物すべてを指したらしい。
そのうち丸く伸ばした小麦粉に肉やら野菜やらを挟むようになったのが餃子で、

イタリアでラビオリに
ロシアでぺリメニに
トルコでマントゥに
モンゴルではバンシになった。

小麦粉数千年の来し方を、むぎゅむぎゅと噛みしめる。
そういえば京都にいたころ新京極のきしめん処「更科」によく行った。そんな感じで、いま台北では「北平半畝園」にいく。



「北平半畝園」(本店)
  • 電話:02-2700-5326
  • 地址: 台北市大安區東豐街33號








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