2015年9月7日月曜日

台湾映画「青田街一號」~小1男子とニヒリズム




青田街が舞台だと思ったら

ホラー映画かと思ったら

カンフーアクションかと思ったら

な意表をつく闇鍋コメディー。


隋棠(ソニア・スイ)が経営するクリーニング店は、実は殺人業も請け負っている。
誰かの人生の重荷、もしくは汚点になっている人を殺して、クリーニングの作業場で跡形もなくしてくれる。
そこのヒットマンである「青田街一号」(=張孝全)が、いつの頃からか殺した人に取り憑かれてしまった。人を殺すのは平気だけれど、幽霊にまとわりつかれるのは真っ平な「青田街一号」。
除霊を頼むために訪れた霊媒師「林香」(萬西)も巻き込んで、殺した人々のコトの顛末から「青田街一号」の名前の由来、「阿姑」(隋棠=ソニア・スイ)の秘密が明らかになってゆく。

コロンビア大学で映画の演出を学び、鈕承澤・侯孝賢監督に師事した李中の初監督作品。脚本には、「総舗師‐メインシェフへの道」や、このまえ直木賞を受賞した東山彰良氏が好きな作品として挙げた「ラブ・ゴー・ゴー」の陳玉勳監督も参加した。

陳玉勳監督の「小1男子+ニヒリズム」な笑いのセンス(大好き!)は脚本によく生きていて、しいて言えば藤子・A・不二雄的の「笑うせえるすまん」的なブラックユーモア。
こういう映画、台湾では今迄意外となかったんではないだろうか。このチャンポンな感じが台湾の多様性をよく表しているし、台湾映画の新しいステージを感じさせてくれた。

やけに印象に残っているのが、クリーニング屋の女主人・隋棠(ソニア・スイ)のものすごい角度でアーチ状になった唇。やっぱモーターショー・クイーンとかになるレベルだとあそこまで口角あがるのかね。日本だと、稲森いずみさん的な雰囲気。
そして、ラストの白目。綺麗なだけに物凄くこわい。

もひとつの見どころは、張孝全が「阿姑」(ソニア・スイ)をみる時の、邪気をまったく消した子犬の様な眼。
ヨダレ垂れそうなぐらいキュンキュン来る。
なんでそんな目が出来るんだよ。
男っぽさも、可愛いかんじも、クイアな役回りもなんでもどんと来いの張孝全、さすが影帝と呼ばれるだけのことはある。

張孝全と付き合ってるらしい大陸の女優・萬西は斜めからなど、観る角度によっては真木よう子さんを彷彿とさせて、軍中楽園と同じ女優さん???って言うぐらいのイメチェンぶり。

さて、よくわからないこともいくつかあった。
1・最初のシーンでどうして萬西は刑務所の中庭にいたのか
2・ぽっちゃり好きオタクを最終的に誰が撃ったのか

このあたりの辻褄を丁寧に合わせていくことが出来るなら、これからのこのテの台湾映画は、更に更に期待できそうだ。
ちなみに、台北の「青田街」に青田街一號という住所はない(一巷はある)。
観終わった後は、台北の幻の場所からひょっこり現実世界に戻れたような気分で、ホッと一息をついた。




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